カンニングって、一面のトップを何回も占めるようなものだろうか。違和感を感じる。
教員をやっていて、くせ者の一つ。いろいろな苦い思い出がある。
22年間の教員生活で、捕まえたのは二人。一人は母親が「学校がカンニングくらいで謹慎にするなんて厳しすぎる」とすったもんだのあげく退学していった。もう一人は、教壇から見ていたら、該当者の斜め後ろの子が、こっちを意味ありげに盛んに見ている。何かなと思って立つ位置を変えたら、問題用紙の手前側を持ち上げながら答案を書いている子がいた。問題用紙の下にカンニングペーパーを置いていたのだ。
自分のクラスの生徒が捕まったことも2回。一つは、本人が言うとおり、「暗記用につくった紙をうっかり筆箱に入れて出してしまった」のではないかと思う。とはいっても試験に関係あるものを机の上に出しておいて、さらに試験中に筆箱からだしたというから、やむを得ないけど、そのときの生徒指導部や管理職の言葉がその子を傷つけたのがわかるので、後悔が残る。もう一つは前年度からカンニングをしているという密告が近くの席の子からあったので、監督の先生にみな知らせて、気をつけてもらって一時やんだようだったのだが、結局せっぱ詰まってまたやってしまった。真面目にやっているものから見れば許せないから、密告が結構あるものだ。
教科担任として、自分の試験でカンニングがあったことは3回。1回はカンニングペーパー持ち込みで、すごく緊張しながら書いていたという。もう一つは明らかにいくつかの教科で前の席の生徒と答案がそっくりなので、調べてくれと言われたこと。でもこれはいくら不自然に似ていても、現場を押さえてなければ無理。もう一回はやはりもう一回は授業のプリントを問題用紙や解答用紙と混ぜて持っていた。これは休み時間中ぎりぎりまで勉強していたのをうっかりしまい忘れたとのことだったけどどうなのだろうか。
一番にがい思い出なのは、視線が不自然だったり、姿勢が不自然で、カンニングだと確信があっても証拠がつかめないことが、もっともっとあること。特に他の生徒の答案を見るというのは、証拠が残らないので難しい。